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ワヤン
Filed under: ● trip | Tags: | 01月 26th, 2010
シラサワです。。。
おはようございます。。今日の神戸は中々の晴天、日差しがやわらかいです。
今朝、日経のコラムを読んでいたら太陽・光と影の話が・・・
影は光のあることろにしか存在しないという(真っ暗なところでは生まれない)、本来は単純な光学現象なのに、
時代、場所問わず、様々なイメージの宝庫として物語を生み出すきっかけを演出してきたとの記事。。
日本でも、江戸時代のお座敷遊びとして障子で区切られた向こう側からのシルエットを楽しんで飲んだそうな。
その後、子供の遊びへと姿を変えて、寒い日、火鉢に手をかざした時に出来る影を創造したり、
学校の帰り道に影踏みをしたりして、浸透していったんだそうです。。。
時代変われば何とかで、住宅事情も大きく変わり、障子や火鉢が家の中にある家庭もどんどん少なくなり、
学校帰りに踏みあう姿も見かけんようになりましたね。
影遊びからイマジネーションを無意識に養っていたころ(そのころは遊び道具もあんまり無かったし)より
太陽はず〜っと同じように光を発しているのに、ちょっと残念ですね。。
影といえば、良く行くバリ島にも千年もの歴史を持つ伝統芸能でワヤン(クリ・ゴレ)という影絵の影芝居が
あります(細かくは、影絵芝居が『ワヤン・クリ』で、人形芝居が『ワヤン・ゴレ』で仮面芝居が『ワヤン・トペン』など)
去年、1人旅をしたときに、見たワヤン・ゴレは、客席の正面に『どーん』と白いスクリーンを貼り、中央に
グヌンガンっていう山(生命の樹・自然界の象徴と言われてる)が配置され、両端からライトをあてて、
影を映し出すステージを作ります、そして背後から木彫りのアンティークな人形をたくみに使いわけ、
古代叙事詩が演じられます(その時はラーマーヤナを見た)
わたしは言葉がぜんぜん解らないので、大体前もってストーリーを勉強してから見ますが、それでも解りません。
むしろガムラン(同時に物語と共に奏でられる)の演奏を聴きにいっている感じです。。
このワヤンクリ、バリ島の派手なバロンダンス(獅子舞みたいなやつ)やレゴンダンス(女の人の舞)に比べると
地味でマニアックですが、1つ1つの影の動きと、演奏のハーモニーと、語り部の独特な口調・息づかい
に、はまってしまうと『くせ』になります。。。まさに影がもたらす想像力の喚起です。
地元では、子供も大人もお年寄りもみんな、テレビ・ラジオ・他、娯楽のモノがたくさんある現代でも、
このワヤンをすごく楽しみに観にいきます(伝統を重んじるという部分含めて魅力的なんでしょうね千年も前から)
バリ島に様々なアーティストが多いのも、こんな日常を昔から営んでいるからなのかな、と感じます。
想像力が豊かだと(枯れはてないと)、仕事も遊びも面白いですからね。。。
ちなみに、この影芝居がおもしろいのは、スクリーンの裏(逆)から見てもいいという事。。。
前から、影を見て、楽しむもよし後ろから、見事に彫られた大昔の人形を見ながら、ダラン(人形使い)の芸術的な
指さばきを楽しむもよし、と、今でこそドームコンサートでやっている360度オープンスタイルなんです。。。
興味が湧いたらどうぞ(生でないとほとんど伝わりづらいところですが)…..地味です。。
http://www.youtube.com/watch?v=NsdlIcjFqzk&feature=related
(熱〜い夏の日にビールのみながら、近所(町内)の野外(集会所)で子供からお年寄りまでそろってて、
みんながニコニコ会話しながら日本で言うと『能』とかを眺め・楽しんでいる、そんな光景を想像してご覧下さい。。。)